心の悩み・問題は誰もが経験するものですが、その奥を探ってみると、なにかしら親との関係が問題となっていることが少なくありません。
親との問題って言っても、親がいわゆる「毒親」だったとは限らないのです。
むしろ、そこまで親を「悪」と見なしたくなるほどひどくはないことがほとんどです。
どういうことか、と言うと・・・。
まず親は私たちにとって初めて知る「世界」なのです。
親は、子供であった私たちにとってはすべて。
親の言動、選ぶもの、象徴するものすべてが、私たちのとってある意味絶対的なルールで、その中で生き延びなくてはなりません。
絶対的、などと子供の頭で考えていなくても、かなりの権威とプレッシャーを持っていることは感じるでしょう。
子供は親を通して、社会というものを理解することになります。
そして、その小さな頭で作りあげたフィルターを通して実社会を見るわけです。
色眼鏡でものを見る、という言葉がありますが、それと同じように何かしらのゆがみを持って見ているのです。
親に「お前のような態度では社会に通用しないよ」と言われていたら、「自分はもともと社会に受け入れられない人間なんだな」という気持ちを漠然と持ち続けるかもしれません。
親は別に悪気があって言ったのではないかもしれません。子供のことを心配していたのかもしれない。
でも結果的に子供の自信や自己イメージを傷つけていることもあるのです。
大人になって、なんか社会に溶け込めない、自分に自信が持てない、気が付くといつも憂鬱、悲しみがいつもある、などと言う場合には、育ち方や親との関係を見ていくといろいろなことがわかってきます。
なんでだろう、と心のどこかで疑問に思っていたこと、不安に思っていたことの原因が解明されたりします。
ですので、どんな人でも、親との関係で、自分がどのような条件付けをされているのか探ってみると得るものがとても大きいです。「フィルター」の中身を知れば、自分がそのフィルターに縛られなくなるから。
知ること=癒しの第一歩。