心の癒やし、回復には、自分の傷ついた部分を見てあげることが大事になります。
体の傷でも、傷を認識せずに治すということはあまりないと思いますが、それと同じです。
心の傷では、基本的に気持ち、感情を見ていくことになります。それが傷の現れる場所ですので。
そして、見ていく過程で、心はとても楽になっていきます。
でも、ここでよくクライアントさんが感じるのは、自分がちょっと弱く感じるということ。
つまり、それまで強がっていたのを取り払ってしまい、恐怖心や不安感を認めると、自分が弱くなったかのように感じられるのです。
実際には以前より弱くなったわけではありません。
体で言えば、気をはっている時には感じなかった痛みが、ほっとしてリラックスした時に感じられ、こんなに我慢していたんだな、とわかるようなものです。本当はわかるまえから、弱ってはいたのです。
でも、ここで気をつけなくてはいけないのは、自分て弱い人間なんだな、と悲観的になったり、落ち込んだりしてしまうことです。
弱っているのを感じることは、治癒の過程です。
いろいろなつらい感情を認め、心の中から放出していくと、最初のうちは少し敏感に感じるものですが、その後徐々に健康的になっていきます。
健康的とは、強くなるということです。
治癒の過程を経た先には、自然な強さがあるのです。
この強さは、見せかけの強さや、プレッシャーをかけて叩いて強くするようなものではありません。
また、勝ち負けの強さでもありません。
癒されば、元気になるので、普通に強くなるのです。
ですから、最終的には強さが現れることを知って、悲観しないことが大切です。