親が子供に自分の価値観を押し付けることで、子供が大きな苦痛を感じることが多々あります。
よくあるケースでは、安定性を過度に子供に求めること。これは一見、親心と思えるかもしれませんが、少し違うと思います。
子供の好みややりたいことを無視して、まず安定性を要求する。
仕事、進路の選択、また伴侶の選択など、すべてにおいて、安定性基準になる。
もちろん、他に良い選択肢があるのに、明らかに不安定で困難な道を選ぶ必要はありません。
でも、安定だけを求めてしまうと、人生が無味乾燥なものとなってしまい、生きがいを感じにくくなってしまうこともあると思います。
それだけでなく、不安になりやすい性格を形成することもあります。
つまり、判断の基準を自分の経験や考え方ではなく、社会的に見て安定しているかどうかに持ってきているわけですから、他人の目を過度に気にしやすくなるということです。
また、この「社会的に見て安定」というのもくせ者。実際には人によって安定の基準も千差万別ですから、さらに判断が難しくなり、自分のしていることに常に葛藤と不安がつきまとうようになります。
すると、何をするにも、正しいことをしているのか、ものすごく心配になるパターンが生まれます。
これだけでも、メンタルヘルスを害する要因になります。安定性を求めていたはずが、逆に不安定を作り出す結果になってしまいます。
実際のところ、人生は一定ではなく、何かしらの波があるものです。それを「常に一定でないと」とこだわりすぎることで苦しみが生まれます。
また、子供によっては、このようなとすべてが煩わしく感じ、安定とは真逆な、破天荒で不安定な人生を自ら求めることもあるでしょう。
このような問題がある場合には、自分の価値観を少しづつ見出していくことが大切なワークとなります。
まず最初に、何が自分の価値観なのか、親の価値観なのか、選別していく必要があります。なぜなら、多くの場合、何が自分の考えなのか、それとも親から押し付けられた考えなのか、わからなくなっているからです。
そうしていくと、自分ではそれほど価値を感じていないことなのに、親の価値観で大事だったから気にして不安になっていたのだ、などとわかってきます。
そのような気づきの過程を経るうちに、だんだん不安も減ってきます。