悲しいことやつらいとはただただ早く忘れなくてはいけない。
話してはいけない。
話しても無駄だし、わかってもらえない。
こういう状態だとどうなるでしょうか?
結果として、喜怒哀楽がなくなってきます。
英語でflat affectという言葉がメンタルヘルス用語があります。
どういう意味かというと、感情の動き、表現があまりなくなってしまう状態のことです。表情もなくなってしまいます。
これはうつの症状でもあります。
悲しみがなくなればいい、ネガティブな感情がなくなればいい。
誰もがそう思いますが、こういった感情をただ押し殺していくだけだと、その過程で感情表現そのものが失われてしまうことが多いのです。
こういう状態で笑おうとしても、どうしても本物の笑顔になかなかならないでしょう。
ですので、ただポジティブにあろうとしても、苦しみが強い時は非常に難しいのです。
感情自体を否定してしまうと、感動した、好き、楽しい、これをやりたい、などの生き生きとした感覚がだんだんと失われてきます。
人間らしさは感情があるからこそ。
自分の様々な感情を、それがネガティブなものでも悪いものとジャッジしてしりぞけず、見つめて受け入れ、消化していく。すると、次第に軽くなってきます。
このように感情を受け入れていくと、生活における感動や喜びも大きくなります。
自分の感情がわからなくなった人でも、必ず感情が戻ってきます。