プシケの庭

心を癒し、真に自分らしくあるための、セルフ・アウェアネス覚書

自分ファーストと自己中心の大きな違い

自分は大切にしなくてはいけませんよね。

私はセラピストとして、クライアントさんが精神問題を解決して自分らしさを表現できるようにお手伝いをしていると思っています。

「自分らしさ」、「自分を大切にする」、「自分ファースト」など、自分の事しか考えないのは自己中心的なのかというと、そうではないのです。

「自分ファースト」は、自分がやりたいこと、必要なこと、やらなくてはいけないことを責任を持って管理する、ということでしょう。取り組まなくてはならない自分の問題から目を背けてボランティアに奔走する、などは自分ファーストになっていない例です。

自己中心と違うのは、自己中心は、他人とのかかわりの中で、自分の利益しか考えていない、他の人の都合を考慮していないということです。自分の見方、考え方を人の意見をないがしろにして押し付けることです。

自己中心的な人は真に強い人かといったら、そうでないことが多いでしょう。むしろ、不安を抱えていて、尊大にふるまうことで、その不安を払拭しようとしていることもあると思います。あまり自分が見えていない、自分を知らない人でもあると思います。

そのような自己中心的な態度は、対人関係で大きな代償を払うことになります。我を張るあまり、あちこちで人と対立し、孤立してしまう。本当に分かり合える人間関係を築けない。つまり、自分だけよければ、と自分の利益を人を押しのけて求めることで、究極的には損をする結果になるのです。

自分ファーストは、自分の中で自分自身の管理を優先しているだけで、人との関係において自分が上とか自分の意見が常に正しいと主張することではありません。むしろ、深く自分を知り、自分の責任が取れている人は、他の人をリスペクトし理解する力が大きくなるでしょう。

もともと、「○○ファースト」は、アメリカの保守派の人たちの間で広まった言葉だと思います。自分の国に貧困があったり、解決しなくてはいけない問題が山積みなのに、他国援助の名目で大きなお金が国外に流れたり、許容範囲を超えて難民を受け入れ、自国が荒廃することを防ごう、自国の問題にフォーカスしてまず解決しようということです。決して、他の国を下に見たり、差別したりすることではありません。また、慈悲の念がないわけでもありません。

自分の心のワークをしていき、自分にフォーカスすればするほど心の器は広くなります。ちゃんと管理をすればするほど、使えるキャパは大きくなるのです。ですので、以前よりずっと人をサポートできる余裕のある人になるということです。

一見自分の事ばかり考えているの?という自分ファーストですが、実際には不健康な人への依存をなくして、よりよい人間関係につながるのではと思います。

 

 

 

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